だれでもなるかもしれない「精神疾患」って甘えでなるものなの?
「ブラック企業」「ストレス社会」なんて言葉がありふれてきた今、心のバランスが崩れてしまうのはもう珍しいことではなくなってきました。
でもね、まだまだ認知度が低くてね。「そんなの甘えだろ~」って言われることも少なくない。【精神疾患=メンヘラ】というレッテルを貼る人たちもいる。
そんな風に誤解が多い「精神疾患」のことを、ちょっとだけ説明してみます。
精神疾患も、ガンや心臓病と一緒で「病気の1つ」なんだけどね。
突然やってくるけど、突然去ることはない
「最近不調だな…」というなんとなくの体の変化はあっても、それが精神疾患だ!だなんて気が付く人はほとんどいません。そう、気付いた時にはもう、病気が始まっていることがほとんど。
わたしが「なんか最近変だな」と思ったのは、2016年5月のおわりでした。
でも、はじめの頃は、ただただダルいだけで、ほかに不調がなくて。朝起きるのがめんどくさいのはいつものことだし、夜寝られないのもいつものこと。だから余計に、病院に行くのが遅れてしまったんですよね。
そのころは大学の授業やサークルもあったし、バイトもしていたし、「今日休むぜ!」なんてことは簡単にできませんでした。おなかが激痛…とか、吐き気がすごいとか、そういう「コレだ!!」って症状がなかったから、しっかり食べてしっかり寝れば治るもんだと思っていたのです。
高熱でもない体調不良で休むのは、ズルいとも思っていたし。
きっと根がマジメすぎで。
「ただ疲れてるだけ」って思いこんで。
…そう思っていたんだけど、元気になることはありませんでした。
今思えば、あの時病院に行っていたら、もしかしたらもう少し回復が早かったのかもしれないなぁ。
ストレスの原因は人それぞれ
そもそも、
体調の変化が出始めた理由は、キャパオーバー
でした。
学年が上がって、まだ周りの誰もが手を始めていない就活に手を出し始めたり、初めてできた後輩に、うっとおしいほどおせっかいをしたり。相変わらずマジメを気取って、自分で自分に負荷をかけまくっていたんですよね。
「何かやらなければいけないんだ」という勝手な意識ばっかりが先に行って、本当にやりたいことや、それをやるための休憩なんかも全部無くしていた。
そんな風に、「これくらい大丈夫だよね」なんて自分に嘘をつきながら、時間だけが過ぎて行って、とうとう手遅れになってしまったんだよね。
はじめの診断は「自律神経失調症」でした
気付いたら何もできなくなっていたんだ。
生きること=正解
— あーーちゃん(KAn。) (@aacyan_sora) 2017年5月25日
勤めること=正解
歩くこと=正解
とか言う以前に
生きること=できない
勤めること=考えられない
歩くこと=どうやって良いかわからない
というのが病気だから、
『~に向けて頑張りましょう』
『○はできるでしょ?』
というアドバイスは
残念ながら通じない
昨日まで「普通に」できていたことができなくなった。
おなかは減らなくなって、食べても戻して、夜は一睡もできない。忘れ物は増えるし、何しに学校に来たのかもわからない。
それで、いよいよヤバいなってことになって、そこで初めて「心療内科」へ。
診断は「自律神経失調症」でした。
初めて聞いたけど、(自律神経失調症って何…?)と思ったのはおぼえています。
当時のことはもうほとんど記憶にないんだけれど。
何もわからなかったけど、あぁ病気なんだなって。
同時に、もう頑張らなくてもいいのかなって、そこで気付きました。
でも、本当に辛いのはそこからでした。変わらない毎日の中で、自分だけがどんどんと変わっていくこと。何も成長できないのに、薬と検査の数だけが増えていくこと。
「もう無理しちゃだめだよ」のお医者さんのアドバイスに、疑問しかなくて。
ムリしないって、どういうこと?って。
今でこそこうやってTwitterやブログを通して公表しているけど、当時はカミングアウトなんて怖くて考えることも出来ませんでした。
だって、目に見えない病気だから。
骨折すればギプスで分かるし、風邪を引けばマスクで分かる。
でも、「精神疾患は目に見えない病気」なんだよね。
それってイコール、”体は何ともないけれど、心だけが弱いんです”って言ってるようなもん。
だれかにバレるのが怖くて、ひっそりと暮らしていたなぁ。
病気の原因は、長時間労働だけじゃない
最近は「100時間労働をこえないように」ってよく聞くけれど、そこだけを基準にしてはいけないと思うんですよね。
だって、
病気やストレスの原因は同じじゃないから。
たしかに、基準を設ければ、「人の限界の基準」は分かるかもしれない。
でもまず、これくらいまではできるデショなんて感覚がおかしいんだよね。
みんながみんな、人の基準と一緒なんてことはないんだ。
病気になるキッカケは「長時間労働」だけじゃない。「たった一度のものすごい衝撃」でなることもある。だから、労働時間だけを改正してもパワハラや他のストレスが良くならなければ、この社会から精神疾患はなくならないよね。
— あーーちゃん(KAn。) (@aacyan_sora) 2017年6月26日
「たった一度の衝撃でも病気になる」ってこと、もっと広まればいいなぁ。
「精神疾患」って、甘えでなるものなの?
ここまで読んでくれた人は、そうじゃないって多分気付いてくれているはず。
そうだと嬉しいな。
「まじめな人ほど」
— あーーちゃん(KAn。) (@aacyan_sora) 2017年5月22日
心の病気になりやすいと
そう言われているし
そう聞きますよね
いままでたくさん頑張ってきた分
今、この瞬間くらい
休んだって
良いんですよね
だって
今まで頑張ってきたんだから。
わたし自身、最後まで何かをやり遂げるのは少し苦手です。だから、がんばれない時もあります。
でも、精神疾患を抱えながらがんばっている人たちは、それまで
めちゃくちゃめちゃくちゃ頑張ってきた人が多いです。
がんばっているから、ムリしてしまう。がんばっているから、がんばることが当たり前になってしまう。
もしも、「精神疾患なんて甘えだろ」なんて人がいたら、
「いやいや、甘えでなるもんなら、とっくに甘えるのやめてるわ」って言うと思う。
心の病気は、甘えなんかじゃないよ。